FIFAワールドカップ

FIFAワールドカップは、国際サッカー連盟(FIFA)が主催する、ナショナルチームによるサッカーの世界選手権大会。サッカーの大会の世界最高峰と位置付けられ、全世界のテレビ視聴者数や経済効果はオリンピックを遥かに凌ぐ世界最大のスポーツイベントです。

予選大会と本大会で構成されており、本大会は4年ごとに開催され、4で割り切れない偶数の西暦年に開催される(夏季五輪の中間年、1994年以後は冬季五輪と同年)。1930年にウルグアイで第1回大会が行われ、この大会を企画・発案した当時のFIFA会長・ジュール・リメの寄贈した「ジュール・リメ・トロフィー」をかけて争われた。

参加できる主体は国またはそれに準ずる地域であり、より厳密にはFIFAに加盟したサッカー協会を単位とする。例えば、イギリスは単一の国家ながら本土4協会(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)と海外領土6協会(モントセラト、イギリス領ヴァージン諸島、ケイマン諸島、タークス・カイコス諸島、バミューダ諸島、アンギラ)による計10代表チームがあり、日本は日本サッカー協会の唯一の代表である。そして、胸にそのエンブレムをつけたユニフォームを着用する。また、香港やマカオのように、FIFAが加盟を承認したサッカー協会を持つ地域にも、それぞれに出場権がある。

これまでの歴代優勝国は、ブラジル(5回)、イタリア、ドイツ(4回)、ウルグアイ、アルゼンチン(2回)、イングランド、フランス、スペイン(1回)の8か国・地域である。なお、2002年大会までは前回優勝国が地区予選を免除されていたが、それに伴う強化不足や収入減少の懸念や、予選枠拡大の要望などから、2006年大会からは廃止となった。

◆予選大会
予選大会は、本大会前に各地区ごとに1〜2年間かけて行われ、地区によっては1次、2次、最終予選の段階に分けられる。最終的には「プレーオフ」や「大陸間プレーオフ」が行われ、全ての出場国が決まる。現在のルールでは、本大会に進めるのは32か国(1978年までは1930年と1950年を除き16か国、1982年から1994年までは24か国で、32か国になったのは1998年からである)。全出場国が決まってから、開催国で各グループリーグの抽選会が行われる。

世界を6地区に分けホーム・アンド・アウェー方式で行う(地区によっては参加国の中から1か国集中型の「セントラル方式」や2か国を特定する「ダブルセントラル方式」を取り入れる場合もある)。アジア地区の予選は、1994年アメリカ大会・アジア最終予選でドーハでのセントラル方式でのリーグ戦が実施され、また1998年フランス大会・アジア予選の第3代表決定戦がジョホールバルでセントラル方式での1戦のみで実施されたが、その後開催地の調整が難しくなったためホーム・アンド・アウェー方式に変更された。

6地区それぞれに出場枠が定められ、過去の実績で各地区の出場枠が増減される。中には「大陸間プレーオフ」と通称される試合でいわゆる「0.5枠」を争う地区もある(例:アジアの出場枠を2.5、北中米カリブ海の出場枠を2.5とすると、両地域の予選上位2チームが自動的に本大会に進出、両地域の3位チーム同士がホーム・アンド・アウェー方式による「大陸間プレーオフ」で対戦し、その勝者が本大会出場権を獲得するシステム)。

◆本大会
大会ごとに運営方法に変更が生じるが、1次ラウンド(JFAの用語集では「グループステージ」と呼称)はグループリーグ(複数のグループに分けて各グループで総当たり戦)で実施し、ここを勝ち抜けたチームにより決勝トーナメント(JFAの用語集では「ノックアウトステージ」、ノックアウト方式が多いが、過去には総当たり戦で行われたこともある)を行う。
1998年フランス大会以降は、出場チーム数は32となっており、以下の方法で実施されている。

・グループリーグ(グループステージ)
組み合わせ抽選は開幕戦を行う国以外は、予めFIFAのナショナルチームランキングの上位、並びに大陸別にシード順を決めたうえで(後述)組み分けを行う。開幕戦(1974年から2002年までは前回優勝国<推薦出場による予選免除シード>、それ以外は主催国)を戦う国については予めA組1番が指定されている。
4チームごとの8つのグループに分かれ、各組で1順の総当たり戦(グループ内の他のチームと1試合ずつ対戦するため、合計3試合)を行う。
試合の結果ごとに「勝ち点」が与えられ(勝利=3点、引き分け=1点、敗戦=0点、1990年大会までは勝利=2点)、全試合終了時に各グループで勝ち点の多い上位2チームが決勝トーナメントに進出する。勝ち点が並んだ場合、当該チームの得失点差、総得点の順に判断し、これらも同数だった場合は当該チーム間の直接対決の結果により判断する。直接対決も引き分けだった場合はくじ引きにより順位を決定する。
グループリーグにおいては、開催国など1チームずつがシード国として配置される。グループの組み合わせは、シード国を含む欧州地区は(17チーム以上出場しない限り)、1つのグループに必ず最低1チームで最大2チームまで、それ以外の各地区は(9チーム以上出場しない限り)、1チームまでで同じ大陸勢と対戦しない様に配置する。出場枠が32になる以前は、予選枠の関係から1つのグループに欧州地区が3チーム以上入るケースや、南米地区が2チーム以上入るケースも見られた。

・決勝トーナメント(JFAの用語集では「ノックアウトステージ」、英文表記では「Stage2」とし、決勝トーナメントとは呼称しないことになっている)
決勝トーナメントは16チームによるノックアウト方式(勝ち残り方式)で行われる。トーナメントの組み合わせは、欧州地区以外も同じ大陸勢と対戦する様になる。また、1回戦のみ1位通過チームと別組の2位通過チームと対戦する様に配置する。同一グループのチームは反対側のブロックになる様に配置する。すなわち、グループリーグで同一の組になったチームとは決勝・3位決定戦以外では対戦することはない(例外:2002年日韓大会)。
90分で決着がつかなかった場合は30分の延長戦(1998年フランス大会・2002年日韓大会のみゴールデンゴール方式を採用)を行い、それでも決着がつかない場合はPK戦で勝敗を決める。

過去の最多出場はブラジルが20回となっていて、続いてドイツ、イタリアが18回となっている。
その後に続くのが、アルゼンチンが16回、スペイン、イングランド、フランスが14回となっている。
日本は5回の出場をしている。
※2014年ブラジル大会終了時点。

日本の過去の成績は、1998年(フランス大会)の初出場となったこの大会は、グループリーグでアルゼンチン、クロアチア、ジャマイカに3戦全敗し、グループリーグ最下位で終えた。なお、ジャマイカ戦で中山雅史がW杯初得点を決めた。

2002年(日本・韓国大会)では、開催国のため予選免除での出場。グループリーグ第2戦のロシア戦でW杯初勝利。また、グループリーグを首位で通過して初の決勝トーナメント進出を決めた。決勝トーナメント1回戦でトルコに敗れたがベスト16の成績を残した。

2006年(ドイツ大会)では、2大会ぶりに予選に参加し、アジア予選では1次予選で6戦全勝、最終予選で5勝1敗の成績で1位通過し、3大会連続の本大会出場を果たすとともに、時差の関係でワールドカップ地区予選突破第1号となった。前回大会で活躍した中田英寿や黄金世代の選手達が20代後半〜30代前半と円熟期を迎え、更に、前回大会には出場の叶わなかった中村俊輔や高原直泰が加わったチームは「史上最強」と謳われ、最終予選では視聴率が40%を超える試合が続出する等、日本サッカーファンの期待はかつて無い程大きく高まっていた。サッカーダイジェストによると、監督のジーコが守備の約束事を示さなかった事で、大会直前に選手間で話し合った所、プレスの掛け所を巡って意見が割れた事でチームワークに亀裂が入ったまま本大会に入ったとされる。クロアチア戦は引き分けたが、オーストラリアおよびブラジルに敗れてグループリーグ最下位で終えた。

2010年(南アフリカ大会)では、2009年6月6日のアジア最終予選においてウズベキスタンに勝利して4大会連続4度目の本大会出場を決めた。グループリーグはカメルーンおよびデンマークに勝利して、オランダに次ぐグループ2位で2大会ぶりにグループリーグを通過。決勝トーナメント1回戦はパラグアイにPK戦の末3-5で敗れ、ベスト16の成績。

2014年(ブラジル大会)では、2013年6月4日、埼玉スタジアム2002でのアジア最終予選第7戦(第8節)においてオーストラリアと引き分け、5大会連続5度目の本大会出場が決定。初出場から5大会以上連続出場はブラジル、イングランドに次いで史上3か国目となり、2006年・2010年大会に続き3大会連続で予選突破第1号となった。
前回大会で活躍した本田圭佑や、新たに台頭した香川真司等、過去最多の海外組が名を連ねる攻撃サッカーを掲げたチームの前評判は非常に高かった。しかし、コートジボワールとのGL初戦は本田の2大会連続ゴールで先制しながら後半19分から2分間で2点を奪われ逆転負けを喫すると、続くギリシャ戦は前半に相手が一人退場するも数的優位を生かせずまた勝たなければならない状況だったにも関わらず交代枠を1枚残してスコアレスドロー。コロンビアとの最終戦は控え中心だった相手にシュート数とボール支配率は上回りながら1-4の大敗と、1勝も挙げる事なくグループ最下位で敗退となった。また日本はこの大会でアフリカ勢に初めて敗れた大会となる。ザッケローニ就任以降不安視された守備が最後まで改善されなかった事、6人交代の出来る親善試合であるにも関わらず、新戦力のテストをあまりせず固定したメンバーで戦っていた事、ワールドカップのGLの抽選前に寒冷地のイトゥをキャンプ地として決め3試合とも高温多湿の会場で試合を行うにも関わらず寒冷地に滞在する事になった事

2018年(ロシア大会)は2017年8月31日、アジア最終予選のオーストラリアに勝利し、6大会連続6度目の本大会出場が決定した。オーストラリアにワールドカップ予選において勝利するのはこれが初となった。