これからサッカーをはじめることを考えられている小さなお子さんをもつ保護者の皆さんも多いことでしょう。そこで、サッカーをするうえで、もっとも欠かすことのできない重要なアイテムであるボールを選ぶ際のコツを、教えたいと思います。
園児や低学年の子どもが使うのに適したボールの大きさは?
小学生のサッカーでは、一般的に4号サイズのボールを使うのですが、低年齢層の子ども向けとして、3号というサイズも用意されており、チームや地域によっては使用することがあります。サッカークラブやスクールに所属されるのであれば、指導者に確認してから購入されたほうがよいでしょう。大きさや重さによってプレーをするときの感覚に差がでますので、ボールに慣れるためにも、家で練習をするときとチームで使うボールは同じサイズにしたほうが良いのです。
まだチームには入る予定がなくて、保護者と一緒にサッカーを楽しむことから始められる場合でしたら、3号や、4号でも軽量なボールを選ばれても良いでしょう。小さなお子さんにとっては、4号のサイズでも膝下の半分位の大きさはありますから、うまく扱えないこともあります。体格とのバランスが取れたボールであればストレスにならず、蹴ったときの感覚も心地良いので、サッカーの面白さを感じるためには最適ではないでしょうか。
お気に入りのボールでプレーをするのは、サッカーを好きになる、そして継続するためには重要な要素だと思います。ただ、夕方や夜の練習が多い場合には、黒などの濃い色のボールは見にくいので避けたほうが無難です。現在、国際競技団体の試合でも、視認性の面から、白いボールを使うことがほとんどです。サッカーボールというと、白と黒の模様を思い浮かべる方が多いと思いますが、実はこのデザイン、白は明度が一番高く、黒は明度が一番低いので、そのコントラストでボールの回転が見やすく、ボールそのものが視認しやすいという、とても合理的な配色なのです。
価格は品質のバロメータになるとはいえません。メジャーな国際大会の試合球デザインなどはスペック以外の部分が付加価値となって、販売価格に影響しているからです。したがって、商品の品質と価格は単純には比例しないのです。4号球を選ぶ際には、JFA(日本サッカー協会)の検定マークのついたボールであれば一定の信用と品質が保証されますので基準になります。ただし3号球には検定制度がありません。検定マークには、FIFA(国際サッカー連盟)の定める規格もあります。FIFAのマークのついているものであれば、JFAのマークがなくても国際的に品質が証明されています。
1980年代中頃までは手縫いのボールに天然の革を使っていました。価格的にも高価であり、手入れも必要でしたので、一般的には5角形・6角形のパネルを貼り合わせた貼ボールやゴムのボールが広く普及していました。現在は、ポリウレタン製の人工皮革を使用した手縫いのボールが主流になっています。ミシン(機械)縫いのものも多くなりましたが、手縫いに比べてやわらかな素材のボールになっています。耐久性の面でも、日本の少年サッカーは土のグラウンドで使用される頻度が高いので、対摩耗性の高い手縫いボールの方が長く使用できます。また、ミシン縫いのものには、JFAの検定マークがつきませんので、公式な試合では認められず、使用できないこともあります。したがって、「手縫いのボールを持ってきてください」と言われる指導者も多いようです。
最近は、表皮のパネルを熱接合という技術で張り合わせた滑らかな仕上がりのボールも注目されています。縫いボールのように繋ぎ目がないことからキックの反発力が一定で、また吸水もしないため、悪天候のときにもボールが重たくなることがなく、常にベストなコンディションを保つことができます。
極端に空気が抜けて、ベコベコになっている商品は避けたほうがよいでしょうね。ボール競技には適正な空気圧が大切なので、ボールを選ぶときにも、ちゃんと空気の入っているものが重要です。基本的には、手縫いで日本サッカー協会の検定マークのあるボールを選べば問題はないでしょう。
2 thoughts on “サッカーボール”
Comments are closed.