FIFAランキング

FIFAランキングは、国際サッカー連盟 (FIFA) により発表されるランキング。
1993年から発表が始まり、FIFAに加盟する各国・地域の男子Aナショナルチーム(A代表。年齢制限のない最強の代表)の過去4年間の国際Aマッチ(A代表同士の公式国際試合)の成績をもとにポイント化し、集計して毎月発表される。
女子にもFIFAランキングがあるが、過去の女子Aナショナルチーム(女子A代表)の全試合の結果が対象となるなど男子とは異なる点がある。

◆概要
1993年から発表が始まったこのランキングは、数値上で各国のAナショナルチーム(A代表)の強さを示したものである。
その時々の問題点を解決するため、これまでに二回算出方法の改定がおこなわれて現在に至っている。
なお、現行方式のFIFAランキングは対象となる試合が過去4年間の国際Aマッチであるため、2003年11月17日から2011年11月10日まで国際Aマッチを戦っていなかったサントメ・プリンシペは、FIFA加盟国ではあるが2006年7月12日から2011年11月22日までランキングから除外されていた。

外国人選手も所属できるクラブとは異なり、ナショナルチーム(代表)は同じ国籍の選手のみのチームであるため、FIFAランキングはその国のサッカーの強さを示す『目安』となっている。

FIFAワールドカップの各地域予選においては、実力差が極めて大きい対戦を避けるため予備予選を行うことがあり、その振り分けに使われたり(例えば、2006 FIFAワールドカップ・アジア予選ではFIFAランキングアジア上位25位以内のチームは予備予選免除)、AFCアジアカップ等の各地域連盟主催の各大陸別選手権の予選組み分け及び本大会のグループリーグの組み合わせ(ランキングが高いチームがシード等)に使われたりしている。

また、FIFAワールドカップ本大会においても、グループリーグのシード国決定に用いられる。2006年FIFAワールドカップ・ドイツ大会までは過去から現在までのFIFAランキングと過去のワールドカップ本大会の成績を元に計算してシード国を決めていた(FIFAワールドカップ・ドイツ大会では過去3年間のFIFAランキングとワールドカップ本大会過去2大会の成績を元に計算[2])が、2010年FIFAワールドカップ・南アフリカ大会ではグループリーグ抽選会前のFIFAランキング(2009年10月のFIFAランキング)のみでシード国を決定した。

国内リーグでもFIFAランキングが用いられる場合がある。プレミアリーグはEU加盟国及びEFTA加盟国以外の国籍の選手は、労働許可証取得の条件の一つに「当該国の過去2年間のFIFAランキングの平均順位が70位以上」であることが条件となっている。

このように、年々、FIFAランキングの重要性は増してきている。

これまでに、ブラジル、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス、アルゼンチン、オランダ、ベルギーの8カ国が、本ランキングで1位に輝いた経験を有している。

◆算出方法
2006年7月12日から、現行のランキング作成方法に改定された。
改定された理由は、それ以前のランキング算出方法があまりに煩瑣であり、よりわかりやすく簡単に計算できるものにすることがFIFA公式サイトによる説明であるが、同時により多くのサッカーファンの主観とランキングをマッチさせることもこの改訂では考慮された。
従来の方式では直近12ヶ月ごとに最も高いポイントを得た7試合を抽出していたが、この方式ではある国が対戦するのはほとんどが同大陸内の国であるという現実が無視されていた。
すなわちヨーロッパの国がたいてい同じヨーロッパの国と試合をするのも、アジアや北中米の国が年に5試合前後ヨーロッパの国と試合をするのも同じに扱われており、このことが、アメリカやメキシコ、日本といった国のランクを押し上げる原因となっていた。
新ランキングの特徴は、「直近48ヶ月の全ての国際Aマッチ」を考慮することで、これまで切り捨てられていた対戦結果を拾い上げ、強豪国間で切磋琢磨するヨーロッパや南米の国のランクを押し上げることにある。

・対象となる試合
過去48ヶ月間の国際Aマッチが対象となる。

・勝ち点 (A)
あらゆる国際Aマッチにおいて、勝ち:3点、引き分け:1点、負け:0点とする。ただし、PK戦において勝敗が決した試合に関しては勝ち:2点、負け:1点とする。

・試合の重要度 (B)
国際Aマッチには4段階の重要度が設定されている。
1.0:親善試合(東アジアサッカー選手権などの小地域選手権もこれに含まれる)
2.5:大陸選手権の予選、FIFAワールドカップ地区予選
3.0:大陸選手権の本大会、FIFAコンフェデレーションズカップ
4.0:FIFAワールドカップ本大会

※なお、大陸選手権とは、AFCアジアカップ、アフリカネイションズカップ、 コパ・アメリカ、CONCACAFゴールドカップ、OFCネイションズカップ、UEFA欧州選手権の6つの大会である。
・対戦国間の強さ (C)
対戦国の強さはその時点で最新のFIFAランキングが適用される。
1位は 2.00
2位以下は (200 – (相手国のFIFAランク)) / 100 の値
150位以下は 0.50
・大陸連盟間の強さ (D)
対戦国が所属する大陸連盟ごとに以下のような定数を割り当てる。
2014 FIFAワールドカップ以後 
UEFA: 0.99 CONMEBOL: 1.0 CONCACAF: 0.85 AFC: 0.85 CAF: 0.85 OFC: 0.85
2010 FIFAワールドカップ本戦開始前の試合には以下のような定数を割り当てていた。
UEFA: 1.0 CONMEBOL: 0.98 CONCACAF: 0.85 AFC: 0.85 CAF: 0.85 OFC: 0.85
2014 FIFAワールドカップ本戦開始前の試合には以下のような定数を割り当てていた。
UEFA: 1.0 CONMEBOL: 1.0 CONCACAF: 0.88 AFC: 0.86 CAF: 0.86 OFC: 0.85

この定数を元に、(対戦2国の定数の合計) / 2 を大陸連盟間の強さの関係を表す係数とする。同大陸同士の対戦は上記の定数がそのまま当てはまる。

各国際Aマッチにおけるポイント
上記までに算出された値を元に、以下の式である国際Aマッチにおけるポイントを求める。
(A) × (B) × (C) × (D) × 100
・ランキングポイントの算出
48ヶ月を12ヶ月ずつ4つに区切る。
直近の12ヶ月ごとに、上記の国際Aマッチで獲得したポイントの合計を計算し、行った試合数で平均をとる。
ただし、5試合以下だった場合は一律割る数は5とする。
直近の12ヶ月ごと獲得したポイントの割合は100%、50%、30%、20%とする。得られた4つの平均値にこの割合を掛け、合算する。この数値がランキングポイントとなる。