スピード

近年のサッカー界において、子どもから大人までキーワードになっている言葉があります。それが「スピード」です。

◆サッカーにおける「スピード」とは?

サッカーにおける「スピード」とはなんでしょうか? 真っ先に思い浮かぶのは、ダッシュやスプリントといった走力の部分です。サッカーに走力は必要です。

世界で活躍する、メッシやC・ロナウドも、世界の超一流のアタッカーは、陸上選手顔負けのスピードを備えています。なおかつ、繊細なボールコントロールの技術を持っているので、対峙する相手にとっては厄介この上ありません。
では、速く走るために必要なこととは、なんでしょうか?
17年に渡りJリーグのクラブでフィジカル・コンディショニングコーチを務め、現役時代は快速FWとして日本代表にも召集された谷真一郎さんは、ポイントのひとつに「地面反力」を挙げます。

◆正しい動きを知ることが重要

「地面反力とは、地面を押して返ってくる力のことです。サッカーの試合中、前に進む、ターンをして進行方向を変えるといったときに、地面を踏むことで跳ね返る力を得て、次の動作につなげていきます。地面反力を得るためには、常に適切な足幅で動き続けることが重要です。

「直線的な走りをするときに、一生懸命走ろうとして歩幅を広げると、地面反力をうまく得られなくなります。また、気持ちが先行すると前傾姿勢が強くなり、膝も上がらず、脚が後方へと流れてしまい、回転速度が遅くなります。まず、正しい走り方、方向転換の仕方を知り、スピードを上げるためのトレーニングをする。それがトレーニングの順番です」

◆走り以外にもサッカーに必要なスピードはある

「プレーのスピードを上げるために重要なのは、サッカーの動きから逆算してトレーニングをすることです。単純に速く走るだけでなく、速く止まる、速く蹴る、速くドリブルする、速く寄せる、速く奪う、速く跳ぶ、速くボールをコントロールするなどの動きの部分に加えて、プレーの判断、思考、状況把握といった、考えるスピードの速さも重要です」

このように、サッカーのプレースピードを上げるために必要なものはたくさんあります。

サッカーの直線的なスプリント、曲線的なスプリント、細かな方向転換を含めたアジリティ(敏捷性:瞬間的なスピード)といった「走ること」にポイントを当てたものから、「速く蹴る」「速くドリブルする」といった、ボールを持ったときのプレースピードを上げるためのトレーニング、動作まで、これらを速く正確に実行することができれば、周りを見る時間や判断する時間に余裕ができ、プレーの実行の質を高めることにもつながります。

◆自分の身体を思い通りに動かせるようになろう!

 

サッカーは頭と身体、両方が重要なスポーツであり、判断のスピードも非常に重要です。しかし、正しい判断を行えてもプレーが不正確であったり、スピードが遅かったりすれば、それは現代サッカーでは通用しません。その両方を高めていく必要があります。
 また、ボールを速く正確に扱うためには『自分の身体を思い通りに動かす』ことが上達の第一歩です。

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