空間認識能力
スポーツや芸術の分野で天才と呼ばれている人は、とりわけ空間認識能力が発達していると言われています。
野球でいえば、飛んできた打球を捕球することや、投げられたボールにバットを当てる能力。
バスケットボールでいえば、リングにシュートを入れることや、パスをされたボールをキャッチする能力などが空間認識能力になります。
サッカーでいえば、浮いたボール、特にゴールキックやクリアーボールなど、3m以上浮いたボールへの対応となると「空間認識」の能力が必要となります。
空間認識能力というとちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、
これは空間にある対象(ボールや味方や敵の選手)をイメージとして、
すばやく正確に把握・認識できる能力のことです。
難しい表現になりますが、物体が三次元空間に占めている状態や関係を素早く正確に把握する認識力のことです。
空間認識能力を高めることは右脳を活性化させ、最終的には直感力や判断力の向上につながると言われています。
空間認識能力に優れていると、
・サイコロの展開図を頭の中で展開できる。
・地図上の自分のいる位置や向いている向きなどが瞬時に把握できる。
など、スポーツの動作以外にも日常生活で必要な能力であると言えます。
仮にトレーニングにより大きくて強い体を作り、きれいなフォームが身についていても、空間認識能力が欠けていると良いパフォーマンスができません。
サッカーではゴールキーパーは腰から下のスピードボールへの対応は難しいと言われます。
フィールドプレーヤーにとっては、浮いたボールを敵より有利な体勢で触る、つまり
ヘディングやトラップができれば、ボールを地面に落ちつけてパスを展開することができます。
サッカーを始めたばかりの子供たちが苦手とするのが、浮いたボールへの対応です。
ひとつは恐怖心もあります。高く上がったボールを頭でヘディングする事は痛みを伴うので、
少年サッカーでは積極的にヘディング練習をしません。
しかし、いったんバウンドしたルーズボールへの対応は、ボールの勢いも弱くなっているので
積極的に対応すべきです。
大切な事はステップです。
ボールに対して、バックステップしながら対応するとバランスを崩します。
あらかじめ、バックしておいて、前に出ながらボールに対応する「癖」をつけましょう。
最初は、緩いボールでOKです。バックステップしないといけないようなボールを織り交ぜます。
キャッチする練習(キャッチは頭上で)からはじめて、ヘディングできるようだったら軽く合わせる練習をします。
空間認識能力を高める方法としては、以下のようなことがあります。
1・外で遊ぶ
TVゲームばかりでは残念ながらこの能力は衰えてしまいます。
遠近感や高さなどを感じるようなアスレチックなどはいい例で、野山で遊ぶことが自然とこの能力を高めるトレーニングになると言えます。
2・いい姿勢で過ごす
ソファに寝そべって頭が斜めになった状態でテレビを見ていると、映像の中で位置や形などが理解しづらくなります。
姿勢が正しく保たれないと身体のバランスが崩れ、空間認識能力が働きにくくなると言われています。
逆に正しい姿勢、水平な目線を維持すると、物事を正確に理解したり、身体をコントロールしたりすることがしやすくなります。