シュートコントロール
サッカーにおいて勝利するために得点しなければなりませんが、そのためにはシュートを打たなければ始まりません。攻撃の要となるFWの選手がやるものだと考えがちですが、シュートはピッチに立つ選手全てが意識しなければならないプレーです。
◆サッカーのシュートは、目的はゴール、手段がシュート。
シュートを指導する方がよく言われる言葉で「ゴールが見えたら打て」というものがあります。
これはそれだけだと少々言葉足らずなので補足すると、サッカーでは「ゴールが見えるほどの位置ならば、プレーの選択肢の最優先はシュート」だということです。
ですので、シュートレンジに入ったからといって、必ずしもシュートしなくてはならないわけではないですし、また慌てて打つものでもありません。
サッカーにおいてゴールという目的のための手段がシュートであって、シュートすることが目的にならないように注意しましょう。
また、シュートを決めるためには「ゴールの四隅に強いボールを正確に蹴り込むこと」が大切です。
なので、「ゴールの四隅を狙うこと」を意識してシュートを打つのですが、ただ漠然と「ゴールの四隅を狙う」だけではだめです。
大切なのは「ボールの軌道」をイメージすることです。
『コントロールの精度』を高めたいのであれば、自分が狙っているところにどのような「ボールの軌道」を描いて蹴るかというところまで考えなければなりません。
どのような回転で?どのくらいの速さで?どのような弾道で?などを1本1本意識して蹴り、自分の描いていた「ボールの軌道」との差を毎回確認するようにしましょう。
思い通りの「軌道」を描けなかった場合は、その原因が何だったのかを毎回分析して、少しずつ自分のイメージしている「ボールの軌道」に近づけていきましょう。
また、実際のサッカーの試合中に、ベストなポジションからベストなフォームでベストなタイミングのシュートを打てることはまずありません。サッカーのゴール前は一番失点する場所ですから、当然相手は必死に身体を寄せたりプレッシャーをかけたりしてきます。その中で思い通りのフォームを維持したままシュートを行うのは非常に困難です。
そのような状況で、相手の守備やブロックに応じてフォームを崩したり変化させながらシュートをするために、サッカーのシュートの基本的なフォームやコツをしっかり身に付けておかなければなりません。また、種類によるボールの速度や軌道の違い、クセや特徴を深く理解しておけば、咄嗟の判断でより最適なシュート方法を選択できるようになります。
◆サッカーのシュートを行う上での決定力向上を狙い、コースや狙いによる種類について
1・キーパーの届かない位置を狙う
これは単純にゴールポストのギリギリを狙うシュートになりますが、下方向へ行けば行くほどGKには届かないコースとなります。
2・斜めに角度をつける
GKはニアを警戒するため、ボールサイドによったポジショニングとなるので、
角度をつけてファーに流し込むのが決定力を上げるコツになります。また狙うコツとしてはサイドネットに入れるくらいの気持ちでいくと良いでしょう。
3・インフロントで巻いて狙う
エリアの角から巻いて狙うシュートです。
厳密に言うとインフロントではなく、インサイドとインフロントの中間ぐらいの位置、足の親指の付け根辺りを使い、ドライブさせながら落とすのがコツです。
単純なインフロントキックではないので、速度も十分にあります。
このシュートの狙いは、キーパーから見てゴールを超えるような軌道から、鋭く落ちて曲がり枠内に入るコースです。
インステップキックではないため、蹴り始めのフォームでは、シュートなのかクロスなのか判断しにくく、キーパーに2択を迫れることがメリットのひとつで、それはまた直前にクロスやグラウンダーのパスに変更できる柔軟性でもあります。
◆予測しにくいシュート
1・相手DFの股を抜いて狙うシュート
ゴール前でシュートのフォームに入ると、前についてきている相手DFはブロックしようとシュートコースに被るように足を伸ばしてきます。
このブロックに足を伸ばすことを見越してDFの足元を狙うようにシュートを打つと、丁度股間を通るコースになります。
2・エリア内でのダイレクトプレーによるシュート
クロスからのダイレクトプレーでシュートすると、飛んでくる段階から目で追っているキーパーには瞬時に反応することが難しいですし、飛ぶコースを予測するのはほとんど不可能です。